薬剤を使わずに集束イオンビームで髪を染められる？ | 【頭美人】

将来、染め粉や薬剤を使わずに髪を染める事ができたら嬉しいですよね。

そんな研究が今、ニューメキシコ大学とロスアラモス国立研究所で行われており、テスト結果や画像なども公開されています。

その方法というのが「集束イオンビーム」でエッチングする事です。
髪を染める事のできる集束イオンビームとはどのようなものなのでしょうか。

集束イオンビームとは？

集束イオンビームとは電界加速したイオンビームを絞ったもので、ナノレベルの微細加工や観察に用いられています。

簡単に説明すると「ものすごく細いビーム」といった感じでしょうか。

ナノレベルの微細加工の場合、数百ナノメートル～数ナノメートルまで細かく絞れ、加工速度は電流密度や加速電圧によって速くなったり、遅くなったりします。

集束イオンビームで髪を染める仕組み

集束イオンビームと聞くと、特殊なビームで髪を染めるといった魔法のようなカラーリングを想像している方も多いと思いますが、正確には集束イオンビームで髪の毛１本１本をエッチング（表面加工方法の１つ）して、光の波長を変える構造を作り、目に見える髪色をナチュラルに変化させるという仕組みになっています。

光の波長を調節することによって見える色が変わるなんて本当に不思議ですよね。

集束イオンビームで髪を染める事のメリット／デメリット

集束イオンビームで髪を染める事のメリットは薬液や余計な成分を使わずに染められる仕組みによる「ダメージの軽減」です。

もしかしたらダメージが０になる事も、ピンクやオレンジといった派手なカラーをブリーチなしで染める事ができるかもしれません。

デメリットはまだ実用化できない事です。実験も研究もまだまだ必要で、カラーリング用の集束ビームのマシンもまだ開発されていません。

もし実用化されても最初は価格が高かったり、施術に時間がかかるかもしれないので世間に定着するのもずっと先の話になりそうです。

ブリーチでもヘアカラーでも「髪を染める」行為は頭皮や髪の負担になってしまいます。

これはどんなに腕の良い美容師さんに行ってもらっても、トリートメントでコーティングしても同じ事です。

カラーリングする前も後もしっかりヘアケアしてあげないとキレイに染めることはできません。

集束イオンビームによるカラーリングの話は魅力的ですが、実用されるには長い年月がかかりそうですので、今はできるだけダメージを抑えられるようにカラーリング方法を工夫するよう心がけましょう。

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